宮城 克行氏(ENEOSアメニティ株式会社)

Q.新規事業(申請事業)のアイデアはどのように着想されたのでしょうか? 何かきっかけとなった出来事などがあれば教えてください。

入社後、石油精製サプライチェーンにおける物流部門を中心に従事後、製造現場で働く従業員が安全で衛生的な環境で作業を行うため、労働環境を安全かつ健康的に保つための取組みを担う安全衛生管理責任者に就いていました。

労働環境として製造現場は熱中症のリスクが高い現場です。熱中症対策には様々な方法があるかと思いますが、より効果の高い対策を探求するうちにドライアイスの冷却能力を利用する方法にたどり着きました。

更なる模索を続け、より便利に供給可能な方法を発案、2020年に社内起業プログラム「Challenge X」へ応募した結果、最優秀賞を獲得することができました。その翌年にはENEOSホールディングス株式会社の新規事業開発部門に異動し、ビジネスモデル確立に向けた実証テストを約3年間に渡って実施しました。

Q.アイデアを事業化へと行動に移された理由を教えてください。

グループ事業会社の複数の製造現場でジャケットを使用した実証テストを実施後、グループ外企業でジャケットを試験的に導入いただく販売実証を進めました。

実証を通じて、「作業効率が上がり工期が大幅に短縮できた」「暑さのストレスがなくなった」等、熱中症予防、作業性向上に効果ありとの声をたくさんいただき、これは実証で終わらせてはならないと感じ、事業化に向けた行動に移りました。

Q.事業化にあたり、出向起業制度の活用に至った理由を教えてください。

私と同じように起業したいと考えている、目指している方は多くいると思います。そんな仲間たちに出向起業というスタートアップの方法があること、そうした制度を活用することで、起業に挑戦できることを知ってもらいたい。私自身の取組みがそのきっかけになればと思ったからです。

出向起業制度を利用して事業化を進めるにあたり、所属元企業側にとっても初めてのケースでしたので、どう進めて何を決める必要があるのか、時間は掛かりましたが関係各所と調整しつつ進めました。

Q.これからどのように取り組んでいかれるのか、出向起業にあたっての意気込みがあればお聞かせてださい。

現状、熱中症対策の事業に特化していますが、将来的には、作業現場に残されている様々な課題を解決する事業全般に取り組んでいきたいと考えてます。

自分が起こした事業により、一人でも多くの作業者の、わずかなストレスでも解消できるよう取り組んでいきたいです。

「ドライアイスジャケットのサービス提供事業」について

製造現場には、近年の猛暑化による過酷な暑熱環境が多く存在し、熱中症対策改善の重要性が年々高まっています。

本事業ではドライアイスの持つ冷却能力の高さに着目した熱中症対策用冷却服(商品名:ENEOSドライアイスジャケット)、ドライアイス、ドライアイス原料(液化炭酸ガス)の販売およびドライアイス製造機のレンタル事業を実施。

将来的には、熱中症対策にとどまらず、エッセンシャルワーカーがより安全、健康的、快適な作業環境を得るための用品やサービス全般を新しい考えと技術を用いて提供していくビジネスを目指します。

宮城 克行氏

みやぎ かつゆき

代表取締役

自己紹介/略歴:

大学卒業後、日鉱共石㈱(現ENEOS㈱)に入社。以来、24年間石油精製サプライチェーンにおける物流部門を中心に職歴を重ねる。
その後、石油製品製造現場における実務経験をもとに、2020年の社内起業プログラムに応募し、そこで最優秀賞を獲得。
翌2021年にENEOSホールディングス㈱の新規事業開発部門に異動し約3年間に渡り実証テストを実施。
2024年、ENEOSの社内起業プログラムから初めてとなる事業会社を設立。

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会社概要

所在地東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエアイーストタワー4階
WEBサイトhttps://www.eneos-amenity.co.jp
問合せmiyagi.katsuyuki@eneos-amenity.com