田中 和貴氏(株式会社休日ハック)

あらゆる人生を「痛快で」面白く 人生を豊かにする”ワクワク”のきっかけを提供したい
自分視点ではなく、お客様視点に立って考えることが、事業化の第一歩
―“休日ハック”を立ち上げたきっかけを教えてください。

所属元企業の社内アクセラレーションプログラムへ応募したのがきっかけです。7年間、営業職として転勤もあり、地方を行き来していましたが、入社3、4年目の頃は、家と会社を往復する毎日で、休日は寝るか動画を見るか。たまの外出も決まった行き先のみで、繰り返しの無駄な生活をしているな、と自己嫌悪に陥ることもありました。そんな頃、ふと一人暮らしで毎日の食事の寂しさもあり、近隣で同じような単身者が集まるシェアリビングを作れないかと考えました。月額2〜3万円で友達も出来て食事もできるというサービスです。

最初はその案で応募したのですが、メンタリングを受ける中で、コスト面や事業としてスケール出来るのかが課題になりました。自分の趣味でやるならよくても、事業として考えるならば自分視点で考えては駄目だと気づき、そこからお客様視点でアイデアを考え直したのが“休日ハック”で、お客様の休日にあらゆるアクティビティを「勝手に提案」することで、予想外の楽しさや気付きを得られるサービスです。

―休日ハックが提供するアクティビティは、どういう基準で選んでいますか。

メジャーなアクティビティよりも、認知度が低いワークショップやマイナースポーツが中心になっています。

それらは、サービスに自信があって面白いのに、認知度が低いため集客の課題を抱えています。休日ハックが間に入ることで、お客様は珍しい新しい体験ができ、体験先は集客、認知されるきっかけになるので、WINWINの関係が築けると思っています。

休日ハック ビジネスモデル
お客様・体験先様・休日ハック 3者がWINWINに
―事業化に至るまではどういう実証や取組みを行なってきたんでしょうか。

まずは私自身が実験台として、友人に「10,000円の予算で休日をハックして」と依頼しました。その友人が計画した休日は、まずは朝から“キックボクシング体験”、その後、昼食は“お肉を食べる”、その後は“カジノカフェ”に行くというプランでした。正直、キックボクシングは二度と行きたくないですが(笑)、自分の知らない世界、自分では計画できない休日はすごく充実感があって、“休日ハック”のサービスには需要がある、と確信しました。

実証実験の第一弾として、2019年12月に友人の友人を紹介してもらうなどしてLINEを経由したアクティビティの予約代行によるサービス提供の実証実験をすべて人力で行いました。体験者を募集すると、すぐに応募が埋まり、体験後のレポートや感想の内容からも手応えを掴みました。その後システム構築を進め、2020年6月に実証実験の第二弾を行ったところです。

きっかけは“休日ハック”が提案。受け身でも、そこから前のめりの人生に転じるかもしれない
―補助事業期間での活動計画を教えてください。

まずは実証実験、検証結果を踏まえてシステム開発を行い、決済システムの追加等、事業のブラッシュアップを図ります。これまでは所属元企業や知人などを集めて実証実験を行ってきましたが、今後は、広告等も使い新規に募集した顧客で実証を行なっていきたいと考えています。

また、このコロナ禍の状況です。ピボットの可能性として、外出を前提とするアクティビティではなく、自宅で出来るおうちバージョンも検討しています。

―“休日ハック”で目指すところは。

「何かしたいけど何をしていいか分からない」、休日ハックはモヤモヤを解決するソリューションとして、「人生を面白く」ではなく、私は「人生を“痛快で”面白く」したいと思っています。日常がマンネリ化している人は人生の最後に後悔するかもしれません。そういう後悔をしないために知らない世界・興味の刺激を与えるきっかけを休日ハックが提供出来ないかと。“興味の刺激”は何かを“開発”し、 “深耕“されて、もしかしたらその人にとって新たな仕事や何かの種を生むかもしれない。きっかけは受け身でも、そこから前のめりの人生に変わっていく。前のめりの人生になると、自信を持って後悔のない日々を歩むことができます。

休日以外にも転職ハック、副業ハック、恋愛ハック、移住ハックなど、人生を豊かにするきっかけをどんどん与えていける事業にしていきたいです。

VRアクティビティ HADO
VRアクティビティ HADO
動いてみてから判断する、新しいことに挑戦したい気持ちがある人は「出向起業」でまずやってみてほしい
―所属元企業との関係性はいかがですか。

私が初の「出向起業者」になりますので、色々と相談に乗ってくれたり、提携先を紹介してくれたりと、協力的ですし、応援してくれています。社内広報誌で紹介していただいたこともあるので、社員の方も“休日ハック”の正式なリリースを心待ちにしてくれています。

私が出向するにあたって与えられているKPIは、2022年3月までに“休日ハック”が事業として成立するかどうかです。KPIが達成されれば、所属元企業側が買い戻すか否かの判断をし、事業を拡大させていくのか、議論を続けることになると思います。

―本補助金に申請された理由をお伺いできますか。

投資家から紹介されたのがきっかけです。最大500万円の補助金を支援してもらえること、500万円の利益を出すには利益率10%でも5,000万の売上が必要で、そう考えるとやはり大きいです。

また、お金の支援だけでなく、経済産業省の事業に採択されたお墨付きが得られるという点も、事業を進めていく上でプラスになる、お話を聞いてメリットしかないと思って申請しました。

―「出向起業」というスキームはどういう方に勧めたいと思いますか。

社内でやりたいことができないと思ってモヤモヤしている人、でしょうか。現状に不満を感じているなら、まず自分で動くべきだと思います。思い切って外に出て自分のやりたいことをやってみることで、自分自身の成長にもつながる。その価値を証明できれば会社にとってもメリットになるし、応援してくれると思います。

私自身、最初は80%くらいの気持ちでしたので、大きなことは言えません。ただ、一会社員として過ごす中で、自分の人生が自分ではコントロールできないことを実感する出来事に直面した時、ここで不満を抱えるぐらいであれば、自分で事業を作りだす能力を持つべきだと気づきました。そこからは120%の本気、気持ちを持って進んでいます。

動いてみてから判断する。「出向起業」という方法であれば、それが出来ると思います。動きたい気持ちがあるのに迷っている人は、まず動き出してみることをお勧めします。

田中 和貴氏

たなか かずき

代表取締役

自己紹介/略歴:

関西学院大学 経済学部 卒業。
2013年に出身企業である某日用品メーカーに入社後、東京・福岡・大阪の3拠点で営業業務に従事。また、エリア戦略立案や社内の働き方改革プロジェクトに参画。
出身企業内での新規事業開発プロジェクトを経て、2020年に株式会社休日ハックを創業。代表取締役社長に就任。

Profile Picture
「休日行動変容実証事業」について

週末に予定もなくネットコンテンツで時間を消費している若手社会人の「休日」を彩るために、普段自分では考えることのない体験を『休日ハック』が決定・提供することで、休日の過ごし方に変革を起こす。
まずは都心部の若手社会人向けに多種多様な体験を提供し、施設側には空き時間の活用やプロモーション手段を提供できるプラットフォームを展開。将来的には「転職」「副業」「移住」「結婚」などを切り口に様々な“きっかけ”を与えるサービスに進化させていく。

会社概要

住所東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館7階
問い合わせ先info@kyuzituhack.com
URLhttps://www.kyuzituhack.com/