山下 萌々夏氏(株式会社ReCute)
Q.これまでのキャリアについて教えてください。
上智大学総合グローバル学部を卒業後、2021年にNTTコミュニケーションズ株式会社に入社しました。OPEN HUBの共創プロ集団Catalystとして、SIer/外資企業との共創事業やドコモ顧客データ利活用案件/GX案件を中心に、事業創出から推進までを担当しました。
今回の出向起業につながる「ReCute」事業を2023年に起案、応募したドコモグループ内の新規事業創出コンテスト「docomo STARTUP CHALLENGE 2023」でBRONZE賞を獲得。その結果、「docomo STARTUP」の第5号案件として出資が決まり、2024年7月にドコモからスピンアウトして今に至ります。
Q.新規事業(申請事業)のアイデアはどのように着想されたのでしょうか? 何かきっかけとなった出来事などがあれば教えてください。
私自身、常にポータブルアイロンを持ち運んでおり、外出先での髪の毛の巻き直しに関して不便や不満を感じていました。現状、プリクラ専門店やメイクラウンジを使うなど、 ポータブルアイロン以外にも手段がないわけではありません。ですが、わざわざメイクラウンジまでいかなくてはならない面倒臭さやヘアアイロンを持ち運ぶことの大変さを感じていたため、街中にヘアアイロンが置いてあったら良いのに、と思ったことが着想のきっかけです。そこから、商業施設やオフィスビル、駅構内、イベント会場など、外出先の化粧室で髪の毛を巻くことができるヘアアイロンのシェアリングサービスを起案し、社内の新規事業創出プログラムへの挑戦が始まりました。
社内の新規事業創出プログラムに挑戦した理由は、所属企業との事業連携や人材派遣といった観点でメリットがあるという点もありますが、単純に新規事業創出が好きだということ、また本業での経験からBBXモデル(※BtoBtoX:ビジネスパートナーを介してサービスを提供)での事業推進に関する知見、強みを持っていたということもあります。
なにより、自分の力で0からサービスを立ち上げ事業拡大していく自らの姿を通じて、「女性であることを理由にキャリアを諦めかけた/諦めた経験がある」という女性をエンパワーメントしたいと考えたことが大きいですね。
Q.出向起業制度の活用にあたって、社内調整はどのように進められたのでしょうか。
応募した社内新規事業創出プログラムの制度の出口として、出向起業の活用を認めるものになっていましたので、審査ゲートを通過する中で並行して調整を進めてきました。
そのため容易に出向が決まった、というわけではなく、社内での審査においてスピンアウト自体を認められるだけの評価を得るには時間もかかりました。なかなか不確実性が払拭できない事業モデルであることや、「外出先での髪の毛の巻き直し」という女性ならではの課題であったことから、この事業の成長性をいかに周囲に理解してもらうか、という点はとても苦労しました。
Q.出向起業への応募に対して、所属企業の周りの社員の方、ご家族や身近な方の反応はいかがでしたか。
社内の方は、本業の稼働を割いていることについても許容してくださいました。家族や身近な方からは、一時辞職という状態を心配いただいたり、不安に感じられたり…そういう声もありましたが、今回、出向起業で挑戦する機会を得たことに心から応援してくれています。
Q.まず実現したいこと、目標やビジョンがあれば教えてください。
ヘアアイロンのシェアリング事業としては、最終的に全国約3,500か所まで貸出スポットを増やしていきます。更に長期的には、ヘアアイロンのシェアリングサービスだけでなく、化粧品やヘアケア商材のテスターの提供など、サービスを拡充していくことで、いつでもどこでも綺麗な自分に戻れる「美のインフラ化」を目指したいと考えています。
Q.出向起業にあたっての意気込みをお聞かせください。
「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するまで続ければ、それは成功になる。」
これはパナソニックの創業者、松下幸之助さんの言葉で、私の大好きな言葉です。この言葉のように、成功するまで決して諦めず泥臭く邁進していきたい、私の挑戦のストーリーを通じ、多くの女性に勇気を与えていきたいです。
「ヘアアイロンのシェアリングサービス「ReCute」」について
家計における美容消費割合を示す「美容消費係数」は右肩上がりで成長しており、物価高でも美容に対するお財布の優先順位が高まっています。
本事業は、雨や湿気・時間の経過とともに外出先で髪が崩れた際に髪を巻き直したいと考える 20代後半~30代前半の美容に感度の高い女性をコアターゲットとし、商業施設やオフィスビル、駅構内、イベント会場など、外出先の化粧室で髪の毛を巻くことができるヘアアイロンのシェアリングサービスを展開します。
山下 萌々夏氏
代表取締役CEO
自己紹介/略歴:
2021年にNTTコミュニケーションズ株式会社に入社後、OPEN HUBの共創プロ集団Catalystとして、 SIer/外資企業との共創事業やドコモ顧客データ利活用案件/GX案件を中心に、事業創出から推進までを担う。 2023年5月より「ReCute」の事業案を起案し、ドコモグループ内の新規事業創出コンテスト 「docomo STARTUP CHALLENGE 2023」でBRONZE賞を獲得。 その後「docomo STARTUP」の第5号案件として出資が決まり、2024年7月にドコモからスピンアウト。
会社概要
所在地 | 東京都港区南青山 2-5-17 POLA 青山ビルディング 5階 |
WEBサイト | https://inc.recute.jp/ |
問合せ | info@recute.jp |