木本 東賢氏（株式会社SUPERNOVA）

Q.これまでのキャリアについて教えてください。

2011年4月に株式会社NTTドコモに入社。料金戦略・料金プランの策定などに従事し、料金プラン「ギガホ」「ギガライト」や、2021年度グッドデザイン賞を受賞した「ahamo」などのサービス立案や全社横断的なプロジェクトを統括してきました。

その後、新規事業インキュベーション支援の企画・運営及び新規事業開発に携わり、2022年にはグループ社内新規事業コンテスト、2023年に新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」立ち上げを経験。自らも生成AIを活用した学習マンガ事業「LearningToon」を事業化、docomo STARTUPで初めて外部VCの出資を獲得、2024年4月に出向起業社となる株式会社SUPERNOVAを創業しました。

Q.アイデアを事業化、出向起業へと行動に移された理由を教えてください。

社員発案の事業をスピンアウトできる「docomo STARTUP」の制度作りに携わる中、この制度を意味あるものにしていくためにも、自らが率先してスピンアウトすることが重要だと考え、行動にでました。

制度設計と並行して10件程度の事業案を検証していたのですが、そのうちの1つ、「子供向けのニュースキュレーションサービス」は実施したインタビューの反応はあまり良くありませんでした。ですが、インタビューを通じて全員が「学習マンガ」を読んでいることが分かったんです。「学習マンガ」というコンテンツについてマーケット調査を行い、魅力的な市場ではあるものの、子供向けの市場はIP（知的財産）の優位性が高く参入障壁が高いと考え、社会人向けの学習マンガ市場に目を向けたのが事業化のきっかけです。

顧客の課題解決につながる事業であることだけでなく、最先端の技術を駆使しながら誰もやったことがないことに挑戦できていますので、日々、とてもやりがいを感じています。

Q.出向起業制度の活用にあたって、社内調整はどのように進められたのでしょうか。

出向起業制度への応募にあたっては、積極的にサポートいただきながら進めることができました。

社内での制度化ができており、条件を満たすことでスピンアウトが可能になっています。ドコモとしても、チャレンジを促進するための主要な取り組みなので、スピンアウトに関する調整自体は粛々と進められたのではないでしょうか。

ここに至るまで応援してくれた方々に恩返しができるように、本事業を成長させていきたいと思います。

Q.まず実現したいこと、目標やビジョンがあれば教えてください。

まずは、社会人向けの学習マンガ事業を単体で成り立たせることです。PMF(プロダクトマーケットフィット)の達成を目指して活動を進め、次の資金調達を行いながら、事業を大きく成長させていきたいと考えています。

大企業からスピンアウトし、事業を進めるスピード感が圧倒的に変わったことを実感していますので、主軸のLearningToon事業以外にも、さまざまな事業にチャレンジしていきたいです。

Q.出向起業にあたっての意気込みをお聞かせください。

ここからは一スタートアップ企業として、スタートアップだからこそできる機動的な事業運営を行い、顧客に価値を提供しながら事業をスケールさせていきたいと考えています。

また、私自身は大企業から出向している立場でもあります。大企業が抱えている課題感についても解像度高く持っていますので、両方の架け橋になり、日本を変えていければうれしいですね。