小笠原 広大氏(TONOME株式会社)

Q.新規事業(申請事業)のアイデアはどのように着想されたのでしょうか? 何かきっかけとなった出来事などがあれば教えてください。

2019年からTRIBUSの初代リーダーとして制度設計~運営に至る全てに関わり、社内外400以上のテーマ判断とその推進に従事。事務局の立場で、社内起業家/スタートアップに関わる社員がイキイキとした姿に変わっていく、個性を活かしながら建設的な意見を交わす姿、テーマがものすごい熱量とスピードで進んでいく様子を目の当たりにしたことで、マネジメントスタイル一つで組織が大きく変わる可能性を強く感じました。

自身が所属してきた複数部署での経験とTRIBUSを通じて触れた多数のチームからの気づきを得て、チームの潜在的な力を最大化することをミッションに、個人とチームがその個性を発揮・継続・成長していくための事業検討を開始し、支援につながるツール・サービスに落とし込む形で本事業を立案しました。

Q.アイデアを事業化、出向起業へと行動に移された理由を教えてください。

管理職は組織の持続可能性/パフォーマンス向上の要です。にもかかわらず、その運用は属人的で支援も研修が大半を占めており、実務部分を支援する適切なツールは普及していません。

さらに、管理職の業務を分析すると、その大半はプレイヤーとして実務も行うプレイングマネージャーであり、短期的な業績達成に追われることで本来マネージャーにしかできないクリエイティブな業務、「戦略検討」「人材育成」「業務改善」などの創造的マネジメントが十分に行えていない現状は明らかでした。

確かな市場課題を感じたこと、また、今までの自身の経験を生かす形で価値提供ができる可能性があると考え、事業化を決断しました。

Q.出向起業制度の活用にあたって、社内調整はどのように進められたのでしょうか。

所属元企業である株式会社リコーは「はたらくに歓びを」を経営ビジョンに掲げて事業推進を行っています。起案した事業内容と所属元企業の目指す方向性は合致しているものの、既存事業からは飛び地となることから、既存事業の制約を強く受けない形での事業化を目指したいと考え、出向起業制度の活用を選択しました。

所属元企業として出向起業を行うのは2例目になります。

1例目の企業設立時、私自身が所属元企業側の事務局として対応する立場にあり、全体のスキームや前例からの差分も把握できていましたので、調整については大きな障害なく進められたと思います。

Q.まず実現したいこと、目標やビジョンがあれば教えてください。

まずは、生産性やエンゲージメントに直接的な影響を与えるチームマネジメント業務の支援を通じたパフォーマンス向上の実現を目指します。

将来的には企業単位でのマネジメントスタイルのベストプラクティスの蓄積などを含め、個人とチーム、両面に対する継続的な成長の実現をツールとサービスの両面からサポートしていく事業として拡充を図っていきたいと考えています。

Q.出向起業にあたっての意気込みをお聞かせください。

退職ではなく出向起業という形での事例を作ることが、既存事業ではない未来に向けたエコシステム構築に繋がる一つの有効な手段だと感じています。出向起業の活用を通じて企業の事業化における選択の多様性を示していきたいですね。

「マネジメント業務支援事業の実証事業」について

働き方の多様化と労働環境改善へのプレッシャーの高まりを受けて、より一層その複雑性と難易度が高まるマネジメント業務をツールとサービスの両面で支援。 経験・勘・気合(3K)に頼ったマネジメントスタイルから、ツールとサイエンスを活用したマネジメントスタイルへの変革に向けて伴走します。

<運営事業>

①チームパフォーマンスとエンゲージメントを高めるウェブアプリケーションTONOME

②個人とチームの内省と成長を支援するコーチングサービスであるTONOMEメンター

③組織改善に向けた組織コンサルティング

小笠原 広大氏

おがさわら こうた

代表取締役

自己紹介/略歴:

株式会社リコーに新卒で入社し、国内大手営業を経験。
その後、生販管理/海外マーケティング/新規事業開発/経営企画として経験を積み、
2019年統合型アクセラレーターTRIBUSの初代リーダーとして制度設計~運営に従事。
直近までは生成AIを含む自然言語処理技術を活用したAI事業の企画/米国展開を担当。

Profile Picture

会社概要

所在地東京都港区北青山一丁目3番1号アールキューブ青山3階
WEBサイトhttps://www.tonome.jp/
問合せinfo@tonome.jp