安田 鉄平氏(株式会社テラアクソン)

Q.今回、MBO(出向起業制度の活用)に至った経緯を教えてください。

我々が行う「人工知能」という事業の性格上、研究開発や社会実証などサービス開発完了までのプロセスに数年間を要し、研究開発投資が必要となります。ディープテックをコア技術とするテックベンチャーとして独立性を担保しながら初期投資を加速させる、外部資金調達の実現可能な環境を整えることを目的に、大企業からの独立を目指しました。

この我々の考えに既存株主企業側からも理解を得られましたので、必要な交渉や協議などはスムーズに行うことができたのではないかと思っています。

Q.MBOの実施に対する周囲の反応はいかがでしたでしょうか。社員の方、特に、出向ではなく転籍されたメンバーもいらっしゃると思いますが、その反応はいかがでしたでしょうか。

大企業が中心となり創業したベンチャー企業を、大企業の社員が取得することを認める。その様な企業文化や風土は、組織で働く社員の就労モチベーションの向上に繋がるのではないでしょうか。

また、大企業の中で新規事業に関わってきた経験、社員自ら経営者としてベンチャー企業に転籍し活躍する経験は、各自にとって魅力あるキャリアパスになったと感じてくれているようです。

左から執行役員 桜田亮太氏、代表取締役 安田鉄平氏、代表取締役 小澤誠一氏、取締役 丸山祐丞氏
Q.まず実現したいこと、目標やビジョンがあれば教えてください。

金融領域及び医療介護領域の人工知能の社会実装の実現を目指し、実証を行っていきます。

具体的には金融領域では特殊詐欺を発見する人工知能の社会実証、医療介護領域では労働者の心身の健康をサポートする人工知能の社会実証を成功させることが直近の目標です。

Q.出向起業にあたっての意気込みをお聞かせください。

人と人工知能が共生する未来では、多様な価値観を持つ全ての人々が現在よりも幸福に生きていると信じており、その未来に到達するためには、様々な技術ブレイクスルーが必要です。それには人工知能の精度だけではなく、人工知能の安全性や倫理観も重要となります。

私たちは人工知能の技術集団として、自ら高い正義感を維持し、社会の発展に貢献できるよう不確実性の高い事業に挑み続けます。

「AIを活用したウェルビーイング要素探索実証事業」について

現状、特殊なスキルがないと開発や運⽤保守が難しいというAIの課題解決を⽷⼝に、開発運⽤基盤の提供というビジネスモデルを設計。

まずは⾃社の強みを⽣かし「医療・ヘルスケア領域」を重点ターゲットとして設定。
健康に関わる機微なデータを適切に保護しながら、健康をモニタリングし適切な助言を行う、人とAIが共生し、人々の健康を支えるサービスを提供していく。

安田 鉄平氏

やすだ てっぺい

代表取締役

自己紹介/略歴:

京セラ、電通国際情報サービス、アクセンチュアで、DX黎明期よりDXコンサルティングに従事。
イグニション・ポイントに参画後、新規事業創発の責任者としてグループのイノベーション戦略を牽引。
2022年に神戸大学、イグニション・ポイント、EAGLYSが中心となり、大学技術シードの社会実装を目指す神戸大学認定ベンチャー企業テラアクソンを創業、代表取締役に就任。

Profile Picture

会社概要

所在地兵庫県神戸市中央区江戸町104番地 江戸町104ビル 6階
WEBサイトhttps://www.telaaxon.com/